京都の物件売却で、土地と建物を親族で共有している案件に携わっています。親族のうちの
一人が皆で相続した物件を独占して使用しており、他の親族から不満が出ています。
建物の登記簿謄本をみると、独占している親族の名義になっており、土地は他の親族が共有
している状態です。路線価でみる借地権は60%なので、借地権が成立していれば本物件の
価値の過半はこの独占している親族に帰属しますが、借地権の契約をしておらず、地代も
払っていないということが判明しました。
建物の名義を持っていたとしても、地代を払っていなければ借地権が成立しないそうです。
従って使用貸借となるのですが、使用貸借の価値算定については、概ね借地権の3分の1位
で、所有権に対しては20%程度というのが事務上で良く使われる数字の様です。
本件に関係する親族の数は10名程度と多いのですが、京都の方々は皆、この様な不平等な
状態にも関わらず、建物を独占している親族の立場を心配されていました。そして、弁護士
を通すような強硬な手段を使ってまで、お金は必要としていないという方が多かったのが
印象的でした。
ご親族皆様のご意見を集約して、今後、どう交渉していくか大変な案件ではありますが、
依頼主に喜んでいただけるよう最善を尽くそうと思います。
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