大手銀行などのプレゼンテーション資料には、不動産投資とはミドルリスク・ミドルリターンと
紹介されていることが多くあります。
何に比較してミドルリスクかというと、債券投資に比較するとリスクが高いということです。
債券、例えば日本国の10年国債の利回りはほとんどゼロです。実際に日本の国債が債務不履行
を起こす時は日本が破綻する時で、投資云々などといっっている事態ではないでしょう。
このリスクゼロに対して、例えば不動産投資でも安全なJ-REITの配当利回りは3−4%に分布
しています。これは国債ほど安全ではないものの、J-REITが内包するリスで3-4%程度の利回り
が見込めるのであれば投資をしたいと一般の投資家が考えているということです。
http://www.japan-reit.com/list/rimawari/
不動産投資に対して、リスクが一般的に高いとされているのが株式投資です。最近注目していた、
TATERU、メルカリといった銘柄は、ピークからそれぞれ大幅に暴落(半値以下)しました。
株式投資は配当利回りを見込むよりも、会社が成長して株価が何倍かになるか、紙くずになるか
にかける投資といった方がより実態を表しているかもしれません。
この様に、債券投資に対しては比較的高いリスク・リターン、株式投資に対しては低いリスク・
リターンとして考えられているのが不動産投資なのです。
しかし、ここで気をつけないといけないのは、不動産投資には必ずレバレッジが関わってくる
ことです。レバレッジとは銀行からの借り入れを意味します。アパート投資をする際には、
今までは元手がなくとも公務員など社会的に安定した職業についている投資家には1億円程度
は貸す銀行が多くありました。
これは、ミドルリスク・ミドルリターンの投資をハイリスク・ハイリターンに変える行為です。
恐ろしいことに、厳密にいうとハイリターンで懐に入るべき報酬の多くは、すでに詐欺的な
業者によって、割高な土地や建物の獲得コストで消えてしまっている場合があります。
そうなってしまった場合の不動産投資は、ハイリスク・ローリターンとなってしまうのです。
高いレバレッジを規制する動きは、プロの投資家間では進んできましたが、最も守らなくては
ならない個人投資家に対しては逆にレバレッジが緩和されてきました。
この問題は現時点で深刻な状況であり、日本経済に中長期に渡ってマイナス影響を及ぼす気が
してなりません。
コメント